
クライアント企業のご担当者様から、下記の質問をいただきました。
最新での検索結果確認のため、
サーチコンソール(Search Console)で期間を「今日のみ」に絞り、
Search Console上キーワードを実際にgoogleで検索しています。しかし、サーチコンソールに出ている平均掲載順位(平均掲載順位付近にも)に出てきません。
少なくとも3ページまでにも入っていません。
(シークレットモードで見ています。)
たまに、他のキーワードも同じことが発生することがあります。この原因はなんなのでしょうか。
思い当たるポイントはいくつかあったのですが、少し掘り下げて理由を調べてみました。
Search Console上での平均順位と、実際の検索結果画面での順位が一致しない…!差がある、見つからない…という方。
ぜひご一読ください。
目次
理由1: そもそも、Search Consoleの順位 = 検索結果画面の順位ではない
サーチコンソールの「順位」とは
まず、Search Consoleの(平均)順位 = 検索結果画面の掲載順位ではありません。
サーチコンソールのデータはGoogleが持っている検索順位データベースの情報を出しているわけではなく、ユーザーの検索行動によって検索結果に表示された情報を出しているため、掲載順位はあくまでも「表示された時の順位データ」になります。
サーチコンソールの検索クエリごとの「掲載順位」とは?意味を理解し、検索アナリティクスを有効活用しよう | ヒトノート -Hito note-
上記のように、Search Consoleの順位はGoogle検索順位データベースの順位ではありません。
あくまで、「個別のユーザーが該当キーワードで検索したとき、そのユーザーに表示された掲載順位」を示しています。
つまり、Search Consoleの順位は「それぞれのユーザーによってパーソナライズされ表示された掲載順位(の平均)」でしかないのです。

シークレットモードで検索しても、位置情報の影響は受ける
パーソナライズの影響を受けないようにするため、自サイトの順位確認の際にはブラウザの「シークレットモード」での検索が推奨されています。
プライベート ブラウジング – パソコン – Google Chrome ヘルプ
しかし、このブライベートモードであっても、位置情報を許可している場合には位置情報の影響を受けるとされています。
参考: PC版とスマホ版の検索結果の大幅な違い – Search Console Community
地名を含む検索クエリを確認する場合など、シークレットモードで検索をしても位置情報の影響を受けることにご注意ください。
PCとスマートフォンでは検索結果の掲載順位が異なる
GoogleはPCとスマートフォンなど、検索デバイスによって表示される掲載順位を変えています。
広い意味で「ユーザーの環境によって、実際の掲載順位が異なる」ようにしているのです。
Search Consoleでデバイスごとの検索パフォーマンスを知りたい場合には、画面上部の「+ 新規」ボタンを押して「デバイス」を選択。
各種デバイスごとのフィルタを追加してください。
フィルタでは「PC・モバイル・タブレット」でそれぞれ絞り込むことができます。

個人的なおすすめは有料のRank Trackerなのですが、無料でもSerposcope(Mac)やGRCなどの検索順位チェックツールがあります。日々の掲載順位チェックにもおすすめてす。
理由2 : 強調スニペットや各種カルーセル・リッチリザルトで表示されている
強調スニペット・カルーセルとは。リッチ形式での検索結果表示
2つ目の要因は、「強調スニペットや各種カルーセル・リッチリザルトで表示されている」という可能性です。
- 強調スニペット
- サイトリンク
- 各種カルーセル(画像サムネイル、AMP など)
- 各種リッチリザルト(求人、イベントなど)
- ローカル ビジネス リスティング
- ナレッジパネル
- 画像検索
上記のいわゆる「リッチ形式」。該当のキーワードでサイトがリッチ形式枠で検索結果に表示されると、順位が2〜6位程度でカウントされます。
参考: 実順位とsearch consoleの順位の差異について – Search Console Community
たとえば、「強調スニペット」とは下写真の赤枠部分のようなもの。
検索キーワードが質問の意図であった場合に、「検索に対する答え」が検索画面上で表示される形式です。
他にも、カルーセルは下図のような表示形式。
1 つのウェブサイトに掲載されている鶏肉レシピのリストが、カルーセル形式で表示されています。
画像引用元: カルーセル | Google 検索デベロッパー ガイド | Google Developers
これらのリッチ形式で表示させるには「構造化マークアップ」をサイトで行っている必要があります。
ただ、構造化マークアップを行っていないサイトでもカルーセル形式で表示される場合があるようです。
強調スニペット等のリッチ形式での検索結果の掲載順位
このリッチ形式での表示は、少しトリッキーなところがあります。
まずはSearch Console公式による、リッチ検索結果の掲載順位、その計算方法を確認してみましょう。
1 つの要素内のリンクはすべて同じ掲載順位になります。たとえば、上の図の AMP カルーセルのすべての項目は掲載順位 2 位、掲載順位 5 位の「青色リンク」ブロック内のリンクはすべて掲載順位 5 位、ナレッジカード内のリンクはすべて掲載順位 6 位になります。
画像およびテキスト引用元: 表示回数、掲載順位、クリック数とは – Search Console ヘルプ
このようにリッチ形式での検索結果では、あくまで「枠」の中で掲載順位が計算されることに注意が必要です。
たとえば、下記のような体験談がありました。
私の体験だと、私以外の人の名前(検索クエリ)で
検索結果に Twitter のカルーセルが表示されていて、
そこに数日だけ私のサイトの URL が含まれていて
平均掲載順位が 2 位になったことはあります。
サーチコンソールでの掲載順位と実際の順位に相違がある – Search Console Community
自サイトへのURLが含まれているコンテンツがリッチ形式で表示されることによって、結果的にサーチコンソール上の平均掲載順位が上がってしまったというお話です。
理由2 : 記事リライト直後、または記事公開直後で順位が安定していない。アルゴリズム変動の可能性も
リライトや見出しを直した記事、あるいは新規記事の公開直後の場合。数日間は変動が大きいです。
Googleが一時的に上位表示させたりして、ユーザーのクリック率等を計測。その後に安定した順位を出させようとしていると言われています。
同様に、日内での順位変動もより大きなものに。
ただし、最近では3〜5日後程度には落ち着く印象です。
クライアント様からの質問では、データ期間は「1日」でした。
短い期間での期間設定の場合、日内変動があったり、朝や夜のタイミングなどアクセスの多い時間帯で上位表示されていたという可能性もあります。
また場合によってはデータ計測期間から現在までに大きなGoogleアルゴリズム変動が発生した、という可能性もあります。
理由3 : Search Consoleでの当日計測はデータが正確でない可能性
クライアント様は「当日」の最新データを計測されたとのことでした。
しかし、当日検索はそもそも計測結果があいまいで、きちんとしたデータの正確性が担保されていません。
確定前の、暫定的な数値を出しているに過ぎないのです。
Search Consoleでの表示画面でも、メッセージで「これは暫定的なデータである可能性があります」と表示されています。
パーソナライズや各種リッチ形式の可能性を考慮しつつ、サーチコンソールでの計測期間を見直すこと
以上、
• Search Consoleの順位はGoogleの検索順位データベースではなく、あくまで個々のユーザーに表示された掲載順位の平均であること
• 各種リッチ形式で表示されている可能性
• 当日・最新データは正確ではない可能性
の3つの原因の可能性があることをお伝えしました。
上記の要因から、特にSearch Consoleで短い期間での計測期間を設定する場合には要注意といえます。
過剰にプラスの順位となってしまったり、変動が大きいタイミングでの順位を反映してしまうことも。
最低でも、1週間程度の期間を設定して平均順位をみていくのが良いでしょう。
またリライトを行った場合、数日たった後にSearch Consoleのデータを見てみることをオススメします。
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