先日、No Coder(ノーコードツールを使ってアプリを作る人)が集まるイベント
「No Coders Meetup #1」に参加してきました。
私自身、NoCodeツールを使ってサイト制作を行うこともあり、最近はNo Codeの動向をよくチェックしています。
関連: WebサイトにおけるNo Code制作方法①「Webサイトビルダー」 | 魔法使いのwebマーケティング
そして参加したNoCoders Meetupイベントの中で
一種のノーコードツールとも言えるiPaaS「Anyflow」の坂本蓮さんのプレゼンが面白かったので、こちらにご紹介いたします。
目次
一種のノーコードツール。国産iPaaS “Anyflow”
Anyflowとは、国産のiPaaSアプリ。
IPaaSとは、Integration Platform as a Service。サービスとしての統合プラットフォームのことを指します。
このiPaasを利用することで、SaaS(=Software as a Service、サービスとしてのソフトウェア)と呼ばれる、基本的にはクラウド型のアプリケーション同士を簡単に連携させることが可能。
具体的には、SaaS同士のAPIを繋げることをiPaaSが補助することで、ノンプロクラマーでもクリックやボタンによる操作でSaaS同士を連携させることができます。
1種のノーコードツールと呼んでもいいでしょう。
Zapiar, IFTTT,Workerなどが有名なツールですね。
Anyflowとしては、Workerを当面の競合相手として認識しているようです。
この日のデモ例としても、Anyflowでトリガー(ワークフロー)を設定することで
slackからzoom会議へ招待する
↓
zoomで会議を行う
↓
boxでZOOM会議の映像や資料などを自動的に保存する
という一連の連携を、クリック操作ができる管理画面からワークフローを設定でき、自動的に処理できるようになるとのデモでした。
他にも、セールスフォースとクラウドサインを連携させ
「クラウドサインでサインしたら、セールスフォースのフェーズを自動的に変更させる」
という自動化が可能になるとのこと。
RPAはよく壊れるが、iPaaSは止まらない
AnyflowなどのiPaasツールとよく比較されるのが、RPA。
そのRPAの問題点としては、「RPAロボットはすぐに壊れる」という点が挙げられます。
具体的にいうと、仕様変更に弱い。
例えば、RPAはwebブラウザ上のタグから該当の箇所を検知し、自動的な処理を加えます。
しかしこの画面が変更されてしまうと、RPA自体を再調整する必要が生じるのです。
そのため、RPAは仕様変更に弱い、画面変更に弱いと言われています。
しかし、AnyflowをはじめとするiPaaSは、公式のAPIを取得し、SaaS同士を連携させます。
そのためアプリケーションの画面変更があったとしても、iPaaSのワークフローが止まることはないのです。
国産ツールならではのAnyflowの2つの魅力
現在、iPaaSツールは海外製のもののほうが主流ですが
海外製のiPaaSツールと比べたときに、国産のAnyflowにはどのような魅力があるのでしょうか。
国産のAnyflowには、海外製のiPaaSツールにはない魅力が2つあります。
日本国内のみで運用されているSaaSとも強力に連携できる
1つは、海外ではあまり使われていないが、日本国内で
多く運用されているSaaSや、他の国産SaaSに対応できること。
たとえば前述したクラウドサインは、署名する・サインするという日本独自の商慣習を簡略化するSaaS。
ほかにも、日本企業でよく使われているチャットアプリであるChatworkや、データベースのSaaSであるKintoneも国産です。
名刺管理では、SanSanが有名な国産SaaSでしょう。
このように、日本の独特な商習慣や日本語に対応する必要性から、国産・国内のみにフォーカスしたSaaSは数多くあります。
これらの国内向けSaasに注力し、協力な連携ができる。
それが国産iPaaSであるAnyflowの強みです。
日本人向けに最適化された画面構成・UI設計
もう1つの魅力は、日本人向けに最適化されているとされるUI(ユーザーインターフェイス)。
まず、海外製iPaaSは英語で記載されていることが多く、利用者は英語の壁を乗り越える必要があります。
仮に日本語対応されているとしても、翻訳ツール等で無理やり翻訳されただけのものなので、不自然な表現となっているものも多いです。
しかし、Anyflowは日本語で作られていることはもちろん
日本人が慣れ親しんだ画面構成、UI設計がなされているとのこと。
iPaaSは、それ自身の使いやすさがツール浸透に重要な要素の1つです。
組織内で様々な人が運用するのにあたり、利用者のリテラシーが低い場合でも問題なく運用されていくことが必要となってきます。
その意味でも、国産iPaaSであるAnyflowは安心して導入可能なツールであるといえるでしょう。
海外のiPaasは日本には参入しづらい
Anyflowが投資家へ説明をした際などによく言われるのが「海外のiPaaSツールが日本に本格上陸してきたらどうするのか?」ということだそう。
しかし、「海外iPaasの参入モチベーションは低いはず」と坂本さんは語ります。
なぜならば
- 日本語APIドキュメントを読み解く必要性
- 日本特有の業務の存在
などがあるため。
これらを乗り越えて、海外iPaas勢力が日本マーケットを取りに来る可能性は低いはずだと説明します。
Anyflowは、Saasを繋げるだけでは終わらない
Anyflowは差し当たって、Saas同士の連携の「ラストワンマイル」を解消させるプロダクトとして機能を拡充させていくようです。
しかし将来的には、蓄積されていくデータを活用し、業務プロセス最適化を提案していくなど、プラットフォームとしての役割も狙っていきたいとのこと。
しかし、Anyflowが爆発的に成長するには、「あと3年はかかる」と見込んでいるよう。
なぜならば、AnyflowがiPaasツールである以上、そもそも繋げ先(連携させる先)のアプリであるSaasの普及率に依存する部分があるため。
日本の状況としては、ようやく近年Saasがエンタープライズに進出してきたところです。
Saasが企業で使われる状況が一般化していくのは、これからの話でしょう。
したがって、Anyflowが当たり前に使われるようになるのは、3年程度かかると読んでいるとのことでした。
iPaaSでAPI連携をノーコードで実現
以上、No Coders Meetup #1のプレゼン書き起こしとして
ご登壇されたうち、Anyflowの紹介記事を書きました。
この認識は1つの発見でした。
そもそもNo Codeというのは、「コーディングをせずに、便利にものを作る」というざっくりワードということ。
Web上で何かを作る、繋ぐ、にはコーディングする必要があると思ってしまいがち。
しかし、要件によってはコーディングなしで実現する方法が多くあるかもしれません。
早く学ぶ手段としてのNoCode(三上蒼太さん)
Anyflowの後にLightning Talkをされたサービスデザイナー三上蒼太さんの書き起こし&スライドがこちらに公開されています。
NoCoders Meetup #01 LT 「早く学ぶ手段としてのNoCode」|三上蒼太 | yenta by Atrae|note
NoCodeでのサイト制作・デザインツールSTUDIOにも触れられており
私自身も制作でSTUDIOでサイト・LP制作を行っているので、「スピード感」の大切さについて非常に共感できました。
またbubble以外のNoCodeツールや、インパクトのあるNoCode事例、NoCode情報のキャッチアップ方法などが書かれています。
ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
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