私自身がフリーランスということもあり
「こういうことにも強くならなきゃ、何でも勉強していかなきゃ」と思いがち。
向上心の強い人や勉強家な人ほど、このような姿勢を持つことと思います。
(ちょっと自画自賛気味ですみません)
しかし、「時間」は有限。
人一人で出来ることの量など、どんなに熟練度や効率性を高めても、たかが知れています。
ゆえに、フリーランスこそ、自分自身がやることの範囲を決めて
専門性を高めていくべきなのです。
「まんがエッセンシャル思考の書評・要約」の記事にて書いています。こちらも併せてお読みください。
目次
フリーランスは、専門家たれ
今は独立した個人のことをフリーランスと指すことが多く、多様な生き方や仕事の仕方を含んだ意味となっていますが
元々は、フリーランス=プロフェッショナル・エキスパートであり、士業に代表される、専門家のことを指すことが基本でした。
会社組織を離れ、フリーランスになってしまうと
どうしても雑務のようなこともやらざるをえなくなってしまう状況が増えますし
仕事のうえでも、専門以外の業務内容についても
相談されることが多くなります。
しかし、ここで何でもかんでも自分自身でやろうとしてしまうと
自分の「原液」が薄くなってきてしまうのです。
「あなたは一体、何ができますか?」
この問いに、答えられる項目が増えれば増えるほど、あなたの存在は逆に薄くなってしまうのである。
人は誰かを覚えるとき、「この人は◯◯の人だ」という脳内ポジショニングを設定します。
その際に、あまりにも視聴する項目が多すぎるます。人はその人の立ち位置をどこに置いたら良いか判断がつかず
結局、忘れ去られてしまうのです。
たとえば、チーズケーキを食べたいと思ったとき
「なんでも売っている食料品店」
と
「チーズケーキ専門店」
では、人はどちらに行きたくなるでしょうか?
他のものを一緒に買いたいと思うときであれば、食料品店に行くでしょう。
しかし、「チーズケーキ」に対する期待値は
明らかに専門店の方が高います。
基本的にリソースの乏しいフリーランスでは
「専門店としてポジショニング」
をとるべきだと考えています。
クライアントのためにも、思いきって「範囲」は決めるべき
専門外のことや、得意でないことをやろうとしてしまうと
どうしても時間がかかってしまい、効率が下がります。
結果、納期ギリギリ・あるいは納期を守ることができず
クライアントにも連絡がかかってしまい、お互いに不幸になってしまいます。
実際、私自身
慣れない作業を行うことで
クライアントに迷惑をかけてしまったことがありました。
専門外の事であるが故に
着手時には想定していなかったトラブルが生じてしまったり
進めていると不明点が多く出てきてしまったり。
結果、納期も大幅に遅れ、クオリティーとしても
あまり満足のいくものを作ることができませんでした。
自分の能力を棚卸して、メニューを作ってみる(私の場合)
では、フリーランスはどのようにして
自分の業務範囲を決めていくべきなのでしょうか。
まずは、自身の「得意・能力」、そして「具体的スキル」と
「苦手・弱点」、そこから「やりたくないこと」と思うことを
箇条書きに列挙してみることをお勧めします。
以下は、自分自身のケースで
箇条書きに洗い出してみました。
自分の得意なこと、能力
・リサーチ力
・提案力
・企画力
・関係構築力
・ヒアリング能力
具体的な得意スキル
・SEO対策
・ライティング
・テンプレート利用の制作
・CRMを意識した顧客リレーション構築
自分の苦手なこと、弱点
・完璧主義
・スピード感
やりたくないこと
・作業自体に、多くの時間がかかってしまうこと
→完璧主義のために、さらに時間がかかってしまう
自分自身のメニューを作成する
上記の棚卸しの結果から
自分自身も具体的な「メニュー」を作成します。
たとえば、私の具体的なメニューとしては
・SEO
・ライティング
・テンプレート利用の制作
・マーケティングおよび顧客リレーションに対してのコンサルティング
これらのみに、メニューを留めたく思います。
これでもきっとまだ多いですね。
どんどん減らしていきたい、と考えています。
具体的に、今まで対応していたメニューでいうと
・オリジナルデザイン
・スクラッチによるコーディング
は捨てる、ということです。
範囲を狭めて、専門性をより高めていく
作業範囲を狭める、という考え方について
「いやいや、もっと勉強しろよ」という声もあることでしょう。
しかし、自分は30代。
これが20代であれば、どんどん手を広げていき、新たなスキルや経験を手に入れていくことは、大切かもしれません。
しかし30代となってしまった今、学習スピードでは20代、10代には敵うはずもないのです。
そうであるなら、今持っている自分の武器を磨いていくほうが効率的であるし、何よりクライアントのためにもなります。
したがって、勉強しながら何とか形にして取り組んでいた
スクラッチによるwebサイト制作
は、「やらない」ことに決めました。
私のケースでいうと
今まで取り組んできた実績や経験のある
SEO対策やマーケティング、サイト運用関連、ライティングに力を注ぎ、専門性を高めていったほうが
より自分の価値を高めることができ、お客様をハッピーにすることが出来るのです。
やらないことを決めると、気持ちがラクになる
私自身の経験で、重大なエラーを発生させてしまい
クライアント様に大きな迷惑をかけてしまったことがありました。
必死で勉強をして調べたうえで、丸3日ほどを費やして解決。
たしかに、とても勉強にはなったし、学びの多い良い体験だったとは思います。
しかし、最後にチェックのため
専門家にLancersというクラウドソーシングでチェックをお願いしました。
そのとき、専門家が費やした時間は、わずか1時間。
私が丸3日使ってしまった時間に対して、その道のプロは1時間で解決してしまったのです。
たしかに、できないことを出来るようになる、という経験はとても尊いです。
しかし、30を過ぎてしまうと、その考えは改めたほうが良いと考えるようになりました。
できないことを出来るようにするよりも
できることを、より出来るようにする。
自分の専門外のことは、「餅は餅屋」ということで、専門家にお願いする。
そのうえで、専門家に解決した方法について、教えてもらえば良いのです。
自分自身でイチから調べるよりも、大幅なショートカットで学びを得ることができます。
何より、自分自身「これを極めればよい」
という範囲を決めることで
進むべき道筋が見えてきて、気持ちがラクになりました。
専門家とのネットワークを作っておく、または相談窓口を知っておく
フリーランスは職人気質な人も多いため
「誰かに相談する、依頼する」
ということに抵抗を感じてしまう人が多いようにいます。
そこで日ごろから、気軽に相談できる専門家とのつながりを作っておくことをお勧めいたします。
それが難しい場合でも、例えばランサーズやクラウドワークスのような
困ったときに依頼を投げると、有償で解決してくれるサービス(外注)に慣れておくことが大切と思いました。
「自分は何をやり、何をやらないのか」
これらを明確にしておき
「やらないこと」に関しては、外部の力を使う。
スピーディーに解決してしまえば、クライアントにとっては同じことであり
自分も専門的な部分でより力を発揮することができます。
何より、「外部の力を使うことができる」
ということも、立派なスキル。
(アウトソーシングスキルと名付けたい)
「ある問題を、適切な人に、適切な価格で依頼することができる」
ということは、案外難しいことなのです。
それだけで生計を立てている方もいらっしゃることでしょう。
他人の力、地力を使えることによって
あなたは今までの何倍もの力を手にすることが出来るのです。
専門店のようなスタンスで、フリーランスとしての専門性を高めていきつつ
相談された専門外のことでも、他力・外注を使って解決できる。
そんな頼れるフリーランスを目指していきましょう。
エッセンシャル思考で、具体的な断る基準をもっておく
エッセンシャル思考とは、「余計なことを減らし、断ることで、本当に大切なことに集中させよう」というマインドのこと。
人間の脳の仕組みや、安易に引き受けてしまいがちな習性から脱却して、いかに客観的に、冷静に判断をしていくか
という方法論が書かれています。
記事中には、波風を立たせないための断り方や
「90点ルール」といった具体的な判断基準について說明をしています。
ぜひ、併せてお読みください。
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